惨めに捨てられた伯爵夫人は第二王子と精霊神たちに想われ思い出す慘被拋棄的惡之伯爵夫人回想起被第二王子與眾精靈神戀慕
作者:砂礫レキ
4話4話
原文連結 接吻をされている。 我被接吻了。
こちらの許可もなしに。一方的に。恋仲でもない相手に。 也沒有這邊的許可。單方面地。也不是戀愛關係的對象。
ならばやることは一つだった。 那樣的話要做的事只有一件。
「この、無礼者!!」「這個、沒禮貌的人!!」
バックステップからの平手打ち。 來自傾斜姿勢的一巴掌。
相手は避ける気がなかったのか、それとも避けられなかったのか見事頬に私の掌を喰らった。 對方是無意迴避嗎,還是說沒被避開呢,臉頰漂亮的吃了我一掌。
乾いた音とともにアレス王子の瑞々しい肌が赤みを帯びる。加減はした。 伴隨著乾燥聲亞雷斯王子嬌嫩的肌膚泛起紅暈。手下留情了。
暫くすると彼は私にこう言った。 過了一會後他對我如此說。
「ハ、おもしれ―女」「哈,有趣的女人」
涙目で言う台詞では全くないのよね。 完全不是該以淚眼所來說的台詞呢。
どうやらアレス坊やは私の知らない内にすっかりろくでもないことにかぶれてしまったらしい。 看來亞雷斯小弟似乎在我不知道的情況下完全染上壞毛病了。
生意気な言葉遣いは兎も角、女性に無断で接吻は年頃だから仕方ないで済まされるレベルではない。 狂妄自大的遣詞用字姑且不論,擅自接吻女性不是以正值適齡所以沒辦法就結束的等級。
だから私は腰に手を当てて彼を叱る。 所以我把手叉在腰上訓斥他。
「何ですかその軽薄な物言いは!誰に教わったの、ディアナおばさまに言いなさい!!」「什麼啊那輕佻的說法!誰教你的,請跟狄亞娜阿姨說!!」
「えっ、か、母さまじゃなくてお袋に……」「咦,母、母親大人不對老媽……」
「マリア。そう、マリアね。わかったわ」「瑪麗亞。是嗎,瑪麗亞呢。我知道了」
そう、もうそれだけで分かった。 沒錯,只靠那些就已經知道了。
あのアホ女。 那個蠢女人。
どこの世界に自分の息子を『昔の男の1人』風にチューニングする母親がいるのだ。 哪個世界會有把自己的兒子調教成『一位舊男人』風的母親啊。
先ほどまでの強引かつすべての女は自分の思いのままという傲岸不遜な態度、心当たりがある。 那截至剛才為止的強硬且所有女人都會隨自己意思的桀傲不遜的態度,我心裡有底。
学生時代マリアにちょっかいを出したらそのままじっくり骨抜きにされた一つ上のプレイボーイだ。 對學生時代的瑪麗亞多管閒事之後就那樣慢慢毫無節操的大一歲的花花公子。
思い出してみると彼はアレス王子と髪色や鋭い目つきが似ている気がする。いや、まさかね。いやいやまさか。 試著回想起來後注意到他與亞雷斯王子的髮色及銳利目光很相似。不,怎麼可能呢。不對不對怎麼可能。
流石に友人をそこまで肝の座ったあばずれだとは思いたくない。私は疑念にひとまず蓋をした。 畢竟不想把友人認為是膽大到那種程度的賤貨。我暫且蓋上疑惑。
今必要なのは目の前の子供への躾である。 現在需要的是對眼前的小孩子的教養。
「いいですか、アレス。確かにマリアは貴方の母です。子は親を敬う義務がある。けれど」「聽好了,亞雷斯。瑪麗亞的確是你的母親。孩子有尊敬父母的義務。但是」
「…けれど?」「…但是?」
「親である前にあの女(マリア)はあの女(魔王)です。彼女の面白半分の提案を鵜呑みにしてはいけません!いいわね!」「在身為父母之前那女人(瑪麗亞)是那女人(魔王)。不可以把她一半有趣的提議囫圇吞棗!好嗎!」
「はっ、はい!」「好、好的!」
子供に対し親の言葉を信じるななどと叱るのは流石に私といえども心が痛む。 對小孩子訓斥相信父母的話之類,即使是我也會感到心痛。
けれど彼の為なのだ。マリアはギリギリの瀬戸際まで『愉しさ』を優先する女なのだから。 但這是為了他。因為瑪麗亞是直到瀕臨緊要關頭之前都會優先『愉悅』的女人。
結果として彼女のその判断がいい方向に転がることはなぜか多いのだけれど、今回だけは話は別だ。 雖然作為結果她那判斷倒向好的方向的事不知為何有很多,但只有這次另當別論。
「二度とあんな風に乱暴に女性の唇に触れたりしては駄目よ。同意のない接吻は暴力と同じです!」「不能再次像那樣粗暴地碰觸女性的唇喔。不經同意的接吻與暴力一樣!」
「暴力……」「暴力……」
「そうよ。体ではなく心を酷く傷つけるの。平手打ちより何倍も痛いわ」「沒錯喔。不只身體也會在心靈上留下嚴重的創傷的。比打巴掌還痛好幾倍喔」
「ごめんなさい…そんなつもりじゃなかった」「對不起…我沒那個意思」
私の叱責にアレス王子はすっかりしょげてしまった。 亞雷斯王子對我的斥責完全沮喪了。
外見だけなら背丈も随分と伸びて、黒豹のような威圧を感じる容姿に育ったというのにまだまだ中身は子供のようだ。 如果只有外表身高也十分的高,雖說成長成感到黑豹般威壓的容貌,但內裡似乎還只是個小孩子。
十七にもなってそれはそれでどうかと思うが、私との久しぶりの会話で子供に戻ってしまったのかもしれない。 雖然認為都長到了十七歲那又怎樣,但因與我久違的對話而回歸成小孩子了也說不定。
しっかりと反省しているようならここいらで説教を切り上げてもいいだろう。 如果好好的反省了,那在這裡結束說教也可以吧。
私は咳ばらいをしてから改めて彼を見上げた。 我清了清嗓子之後重新抬頭看他。
「一度目は許します。でも二度とは駄目よ」「第一次我會原諒你。但不能再這樣了喔」
「え…それは嫌だ」「咦…那我才不要勒」
は? 哈?
彼から了承の言葉が返ってくるものだと思い込んでいた私は思わず口をぽかんと開ける。 深信著承諾的話語會自他那返回的我不由得呆呆的張開了嘴巴。
その隙に先ほどまでの萎縮した幼子のような様子が嘘のようにアレス王子は強引に私へ顔を近づけた。 直到剛才都像萎靡不振幼子般的樣子就像騙人一樣的亞雷斯王子,趁那空隙強行地把臉朝我靠近。
再度平手打ちをお見舞いしようとした掌を今度はしっかりと捕えられる。 打算再次賞人一巴掌的手掌這次被牢牢的抓住了。
そして彼は、私の右耳へと唇を落とした。 然後他把嘴唇往我的右耳親了下去。
「俺は何度だってしたい。あなたと、だけ」「不管幾次我都想做。只會、與妳」
だから許して。 所以原諒我。
囁くように言われて私はきつく目を瞑る。 被低語般說著的我緊緊的閉上眼睛。
駄目、と呟く前に唇は再び奪われた。 在嘟噥不行之前嘴唇又再被奪走。
そっと触れる感触に、優しくすればいいというものでもないのよと思った。 對那輕輕碰觸的觸感,我認為不是那種溫柔的做就好了的那種東西喔。